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かたいくるみの話
2008/ 03/ 25
あるところにソーセージの好きな王様がいた。その王様とお后様の間には、ピルリパート姫という女の子が生まれる。ある日お客様を招いたパーティーに、ソーセージ作りの上手なお后様が作ったソーセージを出したが、それを食べた王様が「脂身が足りない」とお嘆きになる。
実は、この宮廷に住んでいるネズミの女王が脂身を食べたいと言うので、お后様はあげてしまったのだ。
事情を知った王様は、職人のドロッセルマイヤーにねずみとりを作らせ、ネズミ一族を捕獲。が、肝心なネズミの女王は捕まえることができず、その女王はお后様に「ピルリパート姫に気をおつけ」と捨てぜりふを吐いて去っていった。
そしてあるとき、そのネズミの女王の復習が… ピルリパート姫は手足だけが小さくなり、頭だけが大きなへんちくりんな姿になってしまった。
王様はドロッセルマイヤーに、ピルリパート姫を元に戻すよう命じる。
…で、どういういきさつだったか、ドロッセルマイヤーは友人の天文学者の力を借りたりなんだりもして、世界一堅いくるみ「クラカトゥク」をピルリパート姫に食べさせれば、ピルリパート姫が元にもどることをつきとめる。
そして天文学者と二人、クラカトゥクを探す旅へ出るのだった。
しかしクラカトゥクはなかなか見つからず、月日は流れ(10年以上?)、ドロッセルマイヤーはいとこのドロッセルマイヤーを訪ねて事情を話した。
「そのくるみなら、ここにありますよ」
あらま。
しかし、次の問題が。世界一堅いというくるみを、いったいどうやって割るのか?
が、なんとこれも解決。いとこのドロッセルマイヤーが、あっさり割った(いろいろあったのだろうけど、忘れました…たぶん、クラカトゥクはただ堅いだけではなく、魔法のくるみかなんかで、いとこのドロッセルマイヤー氏はその魔法をとく条件を兼ね備えていたのだと思います)。
そしてくるみをピルリパート姫に食べさせると、元の美しいお姫様に戻った。
が、実は、お姫様にくるみを食べさせたあとに、いとこのドロッセルマイヤーはそのまま7歩後ろに下がらなければならなかったのだが、7歩めで、あのネズミの女王を踏みつけてしまったのだ。するといとこのドロッセルマイヤーはあっというまに、さっきまでのピルリパート姫のように手足が縮んで頭だけ大きい醜い姿になり、くるみ割り人形になってしまった。そして、つぶされた女王は、またもや呪いの言葉をはく…「わたしの息子が、この恨みをはらしてくれるだろう」
「かたいくるみの話」はここで終わり。やがてこのくるみ割り人形になったドロッセルマイヤー氏は、マリーという女の子にクリスマスプレゼントとして贈られ、七つの頭のネズミとの戦いに勝って、もとのドロッセルマイヤー氏に戻る…つまり、チャイコフスキーのあのバレエの話に続くというわけなのであった。
…という感じだったと思いますが。
ほへー!
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」なーんで、いきなりネズミが暴れだすんだろう、ねずみ=悪者ってことなのかなあなんて思っていたけど、因縁の仲だったっちゅうことなんですね。
こんな話の合間に、チャイコフスキーの音楽が流れる。どこでどれが流れていたか、もう忘れてしまったけれど、こんな曲順。
「トレパック」
「こんぺい糖の踊り」
「お茶の踊り」
「コーヒーの踊り」
イメージとしてだけ使っていて、意味はないということになるのだが。
娘の反応はいかに…キルトマットのほうを見ても、ちょうど私から見えない位置に娘はすわっていた。混乱しただろうか? マリーと七つの頭のネズミの話につながるのだと、理解できたのだろうか?
終わってから見たら、あいかわらず、目を輝かせて興奮しているなどということはなく、ぽや~んだったが…。
スクリーンに映されていたのは、ダグマル・ベルコヴァーという人が絵を描いた、チェコの本だったようだた。ちょうど国際子ども図書館では、1月から「チェコへの扉――子どもの本の世界」という企画展をやっている。チェコの絵本っていうのも、なかなか素敵みたいですね。昔、夫がチェコの絵本画家の展覧会に行ったことがあって、私もポストカードをもらった(また見てみよう)。
さて、お話が終わると、ロフトの方からガタガタという音が聞こえてきた。ネズミ?! 演奏していた人たちが、降りてきたのだった。わーお、みんな若くて、見た目も今どきの人だ。芸大の学生さんか?
フルート、オーボエ、クラリネット、サックスの4人だった。そして、置かれていた例の椅子にすわって、「花のワルツ」の演奏。
おしまい。
終了後にプログラムをもらった。
私は、音楽の曲順をメモしていたのだが、プログラムにちゃんと書かれていた。で、演奏者のプロフィールも。みなさん洗足出身ということだった。夫曰く、フルートのお兄ちゃんがうまかったと。彼はリサイタルもやっているみたいで、そのちらしも入っていた。それからクラリネットのお姉さんの音色が「ほへ~」となっちゃうぐらいきれいだったけれど、音量がなくて残念、と言っていた。ふーん。
すみません、私の耳は腐っているので、よく分かりません…。でも花のワルツで、あれ? こんな和音だったっけ? と思ったところがあった。まさか譜面の読み間違いってことはないよねえ。4人しかいなくて音の数が限られているから? でも省略していい音って決まっているわけだし…。そのときはベースしか流れていかなかったのだろうか。
続く。
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