Article
ファンタジア
2008/ 01/ 23
まるひろの書店の隣には小さなホールがあり、そこではときおり催しものが開かれる。以前、娘と二人で中原淳一展を見たのもここだった。
そのときに買った白雪姫の小さな色紙を、娘は食器棚の取っ手に洗濯ばさみでとめて飾っている。気がつくと下に落ちて踏んづけられてたりすることもあるけれど、手にとってじっと眺めていたりすることもあって、いやー、その姿がまたちょーかわいいんすよ~(親バカ)。
そのホールで、この日は山野楽器が中古や廉価盤のCD、ビデオ、DVDを販売していた。
ちょっと寄ってみようか、というまでもなく吸い込まれる娘。入った正面がディズニーのDVD売り場で、入口のほうを向いているモニターではディズニーの「ファンタジア」が流れていたのだ。ただし聞こえてくる音は、別のところから流れてくるアースウィンド&ファイヤーの「セプテンバー」だったけど…。
棚を見ると、「ファンタジア」の他にも「シンデレラ」に「アリス」に「白雪姫」に…娘が知れば狂喜したであろうラインナップ。が、まだ背が足りず見えないのをいいことに、何が売られているのかは黙っておいた。
それにしてもすごい。だって全部525円! どうやら著作権の関係でこんなことができるらしい。著作権保護期間を経過したため、パブリックドメイン(公共財産)になっているんだと。という「ファンタジア」は1944年の作品でございます。
娘は保育園でディズニーアニメをたくさん見ているみたいなので、家でわざわざ見せるつもりはない(そして「シンデレラ」は実は夫・父がDVDに焼いてくれたのがあるのだ)。でも「ファンタジア」は見たことないようだし私も見たことないし、音楽ものだからと思い、買ってみた。
我が家のテレビはDVDが見られないため、夫のパソコンで再生。音はコンポのスピーカーから。この設置は夫しかできないということにして(実際、私はやったことがない)、以来、夫がいるとき限定で1、2曲ずつ見ている。DVDだから頭出しがすぐできるんだよねえ。便利。
曲目
1)J.S.バッハ「トッカータとフーガ ニ短調」
2)チャイコフスキー「くるみ割り人形」
3)デュカス「魔法使いの弟子」
4)ストラヴィンスキー「春の祭典」
5)ベートーヴェン「田園交響曲」
6)ポンキエッリ「時の踊り」
7)ムソルグスキー「禿山の一夜」
8)シューベルト「アヴェ・マリア」
レオポルド・ストコフスキー指揮 フィアデルフィア管弦楽団
夫と娘だけの木曜日などにも見ていたようなので、私はまだ見ていないものもある。それは夫が「いい!」と勧めるストラヴィンスキーの「春の祭典」…通称(?)「春祭」だ。
今でもまだ見ていないのだが、CDだったら前に聴いたことがあるし、この「ファンタジア」で夫の記憶(中学のときに聴いて衝撃を受けたらしい)が呼び起こされてから、また聴くことにはなった。
が私は、実は初めて聴いたときに「うわーこういうのだめー」と思ったクチなのだ。そして、今聴いてもやっぱりだめだった。聴こえてくるメロディー(らしき音)も和音も、私はまったく心奪われないっちゅうか…。聴いてて楽しくないんだもーん。打楽器ドカスカはかっこいいけど(私は娘に打楽器を習わせたいぐらいなのです)いきなり大きくなったり小さくなったりで、びっくりするばかり。別にコケオドシじゃなくてストラヴィンスキー様はちゃんと考えていらっしゃるわけだけど、私の勉強不足がゆえ、ついていけません。
「春祭」初演時はけが人が出るほどの大騒ぎになったと聞きますが、これはみなさんびっくりすることでございましょう。
それと、こんな音楽を娘に聴かせて大丈夫だろうかという心配もあった。刺激が強すぎやしないかと。そもそも生け贄の儀式の音楽ですよ。
が、心配は無用…とまでは言い切れない気がするけど、大丈夫そうだった。「ファンタジア」での「春祭」は、地球誕生、生命誕生から恐竜絶滅までのアニメーションがつけられていたらしい。古代生物ブームな我が家では、非常にタイムリーなテーマであったので、きっと娘もわかりやすかったことでございましょう。制作されたのはまだエディアカラ生物群が発見される前だったから、ディッキンソニアは出てこないし、恐竜絶滅の原因が隕石にはなっていないらしいのだけど。
娘はCDの「春祭」を聴きながら、恐竜の動きを再現してくれた。「ここで火山が爆発するんだよ!」と、音楽にぴったりあわせて。
私もDVDを見たら、もう少しは聴けるようになるだろうか? あ、ちなみに曲は話に合わせて順序が変わっていたり、アレンジされているようだ。
バレエ音楽なんだよね。バレエで見たいなあ。
「禿げ山の一夜」はけっこうホラーだった。えーん、恐かったよう。娘は…悪魔とか幽霊とか、恐いんだけどでもちょっと見たいって様子だった。
これはシューベルトの「アヴェ・マリア」と続いていて、悪魔が消えて平和が訪れる話になっていた。娘は、夜明けになり鐘が鳴って、悪魔が去っていく場面を再現したりする。やっぱり恐いけど、強がってるんじゃないかなーって感じ。
で、長さからいってもいちばん見やすくてわかりやすくておもしろいのは、やっぱりミッキーマウスの「魔法使いの弟子」のようだ。ミッキーがほうきを斧で破壊するシーンや、増殖したほうきが無表情に動き続けるシーンは、サスペンス映画?! おもしろかったー。
解説者兼指揮者役として出てくる男性の指揮の動きがヘンだし、曲はアレンジされちゃってるし、なによりも原曲とは違う解釈で映像がつけられてしまっているわけだから、子どもには見せない方がいいと思う。ほんとは。
でも、小さい子が長いクラシック音楽をただ聞くだけって…大変なんだよねー。実際のオーケストラの演奏を見ながらとしてもね。それが「ここで火山が爆発するの!」と分かるまでになるんだったら、ま、いっか。
さあ、私は「春祭」が聴けるようになるでしょうか?!
コメント