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鉄瓶生活
2008/ 01/ 19そもそも「もったいなーい」な私が、電気ポットなど買うはずがございません。うち(実家)は、お湯を沸かすときはヤカン。そしてそれを魔法瓶に入れておき、顔を洗ったりするときに使っておりました。が、簡単に蛇口からお湯が出せるようになった頃には、それもほとんど使わなくなった。男どものひげ剃り用ぐらいでしょうか。
しかし夫は、電気ポットを使う習慣があるらしい。それで電気ポットは結婚当初の家電リストに加えられ、購入に至る。以来、炊飯器の横でいつもお湯が沸いている状態。
使うのは、夫がインスタントコーヒー(マキシムと決まっております)を飲むとき…なので、一日300ccもあれば充分というところでしょうか。それだけのために、常に2.2リットルのお湯が沸いている状態なのだ。
私自身は、お料理でお鍋にお湯を沸かす手間が省けるわ~、という使い方をしている。が、夫が料理をするときは、お鍋に水を入れてコンロで沸かす。電気ポットのお湯を使えば早いし、ポットの使いがいもあるだろうし(だって余るほど沸いているのだ)、ガス代も節約できるではないかと思うのだけど、彼は料理の時にはポットのお湯を使わないもんらしい。しかも、根菜ゆでるときにもお湯わかしてるし…。そうだ、料理をするときは、まずはお鍋一杯の水を沸かせ、って言ってたな。そうだな、実際、ちょこちょこお湯が必要になることってあるものだ。でもうちはポットに沸いてるじゃーん!
一緒に暮らしていると、こういうことがいろいろ出てくるもんでございます。夫は私のそういうことには、ほとんど何も言わない。私は人には厳しく自分には甘いので文句を言うことが多い。でも…どうしたって、長い間の習慣やなんかは、なかなか変えられるものではない。とかいって、夫・両親が夫に言うと、一発で変わっちゃったりすることもあるんだけどね。そして夫・両親が言ってだめで、私が言うと変わることもあったり。私も、同じことでも言われる人によって、納得いくときといかないときがある…。
ま、本当に電気ポットを使わないようにしたければ、家事は私がすべてして、コーヒーも私がいれてあげればいいわけなんだから。そこまでの覚悟でなきゃねってことですね。
そんなわけで、電気ポット。
買ったばかりのとき、私は使わないときは電源を切っておくものだと思ったけど、夫はつけっぱなしにしておけと。まあ、いちいち切ってたんじゃ「いつでもお湯が沸いている」という便利さが無駄になっちゃうもんな。でもせめて寝ている間だけでも切っておこうと、夜はコンセントを抜いてお湯をからっぽにして中を洗って…っていうのを、数回はしていたような気がする。が、そのうち、だんだん数日おきになって…。しかも夫が起きてすぐにコーヒーを飲むから、寝る前に切っちゃうと翌朝「げー! 沸いてないやん!」ということになってしまう。いつしかもう、ずーっとつけっぱなし。ときどきはクエン酸洗浄をしておりましたけど。
娘が私たちと同じものを食べたり飲んだりするようになって、冷蔵庫に麦茶を常備するようになった。あの、耐熱ガラスの細長い容器に電気ポットからお湯を入れ、それに麦茶パックを放り込む。あら熱がとれたら冷蔵庫へ。
それで、コーヒー分だけの頃より使うようになったのだけど(1.5リットル弱ぐらい)、2日に一度ぐらいだし、毎日バタバタでお手入れはサボリ気味…。
ふと、「ん? なんか変な臭いしない?」
なんでしょう。カビのような臭い? フタをあけて覗くと、見た目もよろしくない…。明らかに汚れております。もはやクエン酸洗浄だけではとれないような、そんな汚れ。しかも、パッキンが崩れてませんか…?
これはちょっと、どうにかせんと。修理…より、買い換えたほうが安いだろうなあ。
そうそう、書き忘れていましたが、うちにはやかんがないのです! やかんっていうのは、当然一家に一個あるべきものと私は思っていましたが、電気ポットがあるんだからいらないと夫が。あ、そっか。で、実際に必要ありませんでした。
が、臭くなっちゃうんじゃあ、やっぱり私は電気ポットよりやかんなんだなー、電気ポットは使いこなせないんだなーと思い知らされたわけです。夫のために電気ポットを買ってもいいですけど、とりあえずはやかんじゃー!
そんな折り、わけあってOXOと出会った。「OXO」は、「マルバツマル」ではなく、「オクソー」と読みます。これのアップリフトケトルってのが、すてきなんだわ~…でも、高っ!
はい、終わり。
がんばってこれでもよかったのですが、どうせ高いなら、そうだ、体にいい鉄瓶だ! と思ったのであった。
夫・実家には鉄瓶がある。お湯はもちろん電気ポットで沸かしているけど、お茶(緑茶や紅茶ではなく、薬用効果があるような茶色いお茶)をこの鉄瓶で沸かしている。で、妊娠中に鉄分が足りないと言われたとき、しばらく借りていたこともあった。そのお茶も。真っ黒で、ふたは鉄ではない金物だ。
鉄瓶はとにかくお手入れが大変そうというイメージですが、お借りしていたときはなんとか大丈夫だった(と思いますが)。お茶を沸かして容器に移したら、茶殻を捨てて洗って、干しておく。しかし、取っ手が上を向いたままで曲がらないので、まっさかさまにはならなくて、グラグラと不安定なのだけど…まあ、なんとかそうやっておいて乾かして。とにかく中にお茶やお湯を入れ放しにしておくのは厳禁のようだ。
あるとき娘とべに花ふるさと館に散歩に行ったら、フリーマーケットのとなりで、南部鉄瓶の即売会もやっていた。いいのがあれば買おうかと思ったけど…あーそうだそうだ、鉄瓶ってこんな大仏様の頭みたいなやつだ。うーん、なんかちょっとやだなあ。夫・実家のは黒いけど、大仏頭ではない。が、そういうのは見あたらなかった。
と、これはもう数年前の話なんですが。
それで先日、いろはかるたを買いにまるひろに行ったときに、夫にOXOのケトルを見てもらい、そして鉄瓶売り場にも行ってみた。そしたらば。
おおおお、大仏頭じゃないのがあるぞー! しかも茶色で渋い! さらに口が大きくてお手入れもしやすそう!
が。
高っ! それにずいぶん大きく見えるなあ。
そんなわけで、こういう素敵なのもあるんだーという情報だけ入手してその日は帰ったのだった。
さて、私はまるひろで「桜皮寸筒」という言葉を覚えていた。さっそくネットで検索。いきなりアマゾンで売ってた。
盛栄堂の鉄瓶 桜皮寸筒 中
値段も店頭より1000円ぐらい安い。これは中サイズで、どうも大サイズはあるようなのだけど…小はないのだろうか?
で、調べましたところ、いいもの交流館というサイトで桜皮寸筒の製作工程を紹介していて、そして「ご用命により小サイズも製作いたします」の一文が。あったああああ! しかしこのサイトは業者さん向けの用だった。購入希望の場合は、リンクしている別のサイトへ…で、そこに小サイズ購入が可能か問いあわせて、一社、やさしさONE-LINEさんが小サイズOKということで、お値段は中サイズより税抜きで2000円安かった。こんな。
中 直径155mm×高さ228mm 容量1.55リットル
小 直径150mm×高さ210mm 容量1.4リットル
中であれば、アマゾンだったら1000円安く買える。小だったら、それより1000円安いけどもちろんサイズが小さい。アマゾンと同様に送料は無料で、今だったら福袋つきらしい。
うーむ。
お茶を入れている容器をはかったら小サイズでもよさそうだったので、一週間ぐらい迷ったあげく、小にしました。んで、届きましたよ! 大仏頭じゃないし(あれはアラレというらしい。手作業らしいですよ! すごい)渋い色でしょ~。桜の木の皮をイメージしたデザインなんだそうです。
で、こんなふうにふたがかっぽりとあきます。だから、熱燗つけるときにもいいらしい。
取扱説明書によると、やっぱりお湯の入れっぱなしは厳禁。沸かしたらすぐにお湯は全部抜いて、まだ熱いうちにふたを外して湯気を逃がす。ということでございました。
初めて使うときは、沸かす→捨てるを2~3回繰り返してからということだったので、さっそくやってみて、そしてちょうど作り置きの麦茶がなくなったところだったので、いよいよお茶をいれてみることにしました。
お湯を沸かして、容器に移してお茶パックを入れて、鉄瓶はコンロに戻し、ふたを開けておく。中を覗いたらみるみるうちに乾いていった。完了~。あららくちん。
そのうち湯あかがついてくるそうです。湯あかとは、お湯の中に混じるさまざまな物質が沈着したもの。以前、湯あかがびっしりついた鉄瓶の断面図っていうのを、ネットで見たことがあった。湯あかに覆われていくと、水がおいしくなってくるということでございます。サビなのか湯あかなのか、私で判断がつくかなーというところですが、またいろいろ調べながら大事に使っていきたいと思います。ひひひひ。
というわけで、日本人の知恵はすごいのう。
この盛栄堂の南部鉄瓶には、ちゃーんと「経済産業大臣指定伝統工芸品」の札がさがっていましたが(あの「伝」っていう字と赤い丸がついてるやつ。そして、KA1938107と書かれていた)、南部鉄器は指定第1号なんだそうです。
とりあえず…ちゃんと使えますように(-人-)
コメント
2010-11-12 07:07 秘密の手紙箱
問題なく、コンロにかけられます。
置場所さえ許されれば、大きい方がいいと思います。
2010-11-12 08:12 ますみんみん
桜皮寸筒
2017-06-22 11:07 秘密の手紙箱
No title
おおお、ご来訪ありがとうございます!
買った当初は、ネットの写真と実物の差は特に感じませんでした。
で、今はというと…たぶん秘密の手紙箱さまと同じ、赤くなっています。錆びているような、焼けた鉄みたいな。
鉄瓶っていきなり強火にかけてはいけないとどこかで聞きましたので、そのせいかなとも思ってました、ちよこっと。あと何度か、ちゃんと乾かしてなかったことがあって、錆っぽい跡が。大雑把なので、全然気にしてませんが、どうなんでしょうねえ…
近々、写真を載せたいと思います!
2017-06-22 19:32 ますみんみん