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ふたりはいっしょ/ふたりはきょうも
2007/ 04/ 14
いやあ、これはほんとにいい本ですよ。カエルでなくても。
これを買ったのは、2月だったか、でびぼ関連を乱れ買いした1月だったか…それぐらい少し前になるのですが、先日クッキーを作っていてふと思い出したのでございます。それは「ふたりはいっしょ」の中に「クッキー」という話があるから。
ある日クッキーを焼いたがまくん。とっても上手にできたので、かえるくんのところへ持っていく。かえるくんも一つ食べて
「これは今までに食べたこともないような、おいしいクッキーだ!」
二人はパクパクパクパク…なかなか止まらない。
「ねえ、がまくん。きみも分かってるだろう。もう食べるのやめなくちゃいけないと思うな」
「ぼくたち食べるのをやめなくちゃ!」
(これを、口いっぱいにクッキーをほおばっているようにして読んだら、娘に大ウケ)
それでも止まらない二人…。
ついにクッキーを箱に入れて、ふたをしてひもでしばって棚に上げた。が、
「でも、はしごにのぼってさ、棚から箱を下ろして、ひもを切って、箱をあければいいさ」
とがまくん。「そりゃそうだ」と、その通りにするかえるくん…それでは、小鳥にあげてしまえ~!
これでなんとかクッキーは食べずにすんだ。
しかし、がまくんは、また新たなお菓子を作りに家に帰るのであった。
ぶははははは。
やめられない止まらない、なところもおもしろかったけど、結末もナイス。
その他は
■よていひょう
がまくんが「やることリスト」を作成。予定どおりかえるくんの家に行って、予定どおり散歩をしている途中で、リストが風にとばされ計画がストップしてしまった。ががーん。
途方に暮れるがまくん。しばし二人でぽや~ん…。そのうち日が暮れ、かえるくんが「家に帰って寝なきゃ」と声をかけると、そういえばリストの最後は「寝る」だったよ! それでは、寝ましょう、ということで、あいかわらずマイペースな二人なのでございました。
■はやくめをだせ
かえるくん宅の見事な庭を見て、ガーデニングに挑戦するがまくん。
種をまいて、「さあ、種よ。大きくなあれ!」…反応なし。
大騒ぎしてかえるくんのところへ行き「2、3日ほうっておいてごらんよ」とアドバイスを受ける。それからの三日間、がまくんは歌を歌ったりお話を聞かせたり、音楽を聴かせてやったり…それでも芽は出ずあきらめて眠っていたら。
「がまくん、きみの庭を見てごらんよ!」
芽が出た~! いやあ、大変だった、と汗をふくがまくん。
その後、どんな庭になったかはさだかではない…。
■こわくないやい
散歩したりなんだりで二人はけっこう外に出てるのに、このときは本当に冒険小説みたいな展開になっちゃった。
なかなかスリリングでございました。
■がまくんのゆめ
夢の中で、一流のダンスをしてピアノを弾いて綱渡りもできてしまうがまくん。
「かえるくん、きみはこんなにうまくピアノが弾けるかい?」
客席を見るたびに、どんどん小さくなっていくかえるくん…。
と、深層心理を描いた作品(?)。奥が深うございます。
この「ふたりはいっしょ」は1972年11月の出版でした。
そして「ふたりはきょうも」は1980年8月出版です。最終巻。思えば、最初に読んだのは(図書館で借りた)これだったかな?■あしたするよ
部屋には服が散乱し、洗い物は流しにそのまま、椅子はほこりをかぶっているし、窓は汚れている…というがまくんの部屋。でも。
「あした片づけるよ」
でも明日片づけなきゃいけないと思うと、憂鬱だよ…だったら、今片づければいいんだよね?
そして服をクローゼットにしまい、お皿を洗ってしまい、椅子と窓をきれいにして、さっぱり! これで明日はのんびりできるぞ~、おやすみなさい…
結局また寝ちゃった、というのがオチなんでしょうけど、うーむ、なかなか身につまされるわ~、わたくし。おほほほほほ…。
■たこ
かえるくんとがまくん、どっちがボケ役かといえばそりゃがまくんですよね…。
確かに、自分がたこを持って走ると言いだしたのはがまくんの方だったけど、うまくいかないと、かえるくんは「もう一度やるんだよ」
うーむ。やっぱりこれは男の子の話だよなあ。
■がたがた
かえるくんが話す、怪談…。
しかし
「わしは今、腹がへっとらん。おいしいカエルの子どもを山ほど食ったところなんでな。じゃが、100回なわとびをすれば、わしはまた腹が減るんじゃ。そしたらおまえを食ってやるんじゃあ……」
ってどういうおばけよ? しかも縄はそのおばけがえるが持参。
もうこれだけで、私のツボにはまりましたよ。すこーん!と。
そしてさらに…
「かえるくん、それ本当にあったことかい?」と聞くがまくんに、かえるくんが
「そうかもしれないし、違うかもしれない」
夫が気に入っているセリフでございます。ナイス。以来、わが家でも使わせて頂いております。
■ぼうし
誕生日プレゼントに、かえるくんから帽子をもらったがまくん。が、大きすぎて目までふさがってしまう。でもせっかくくれたんだからと、そのままかぶって散歩に出かけるがまくん。
帽子の下に、横一本線の口しか見えなくなっている姿もかわいいけど…
「がまくんは岩につまづきました。
木にぶつかりました。
穴に落ちました。」
ぶぶぶぶぶ。
その晩、かえるくんのアドバイスにより、寝る前に「大きなもの」を想像するがまくん。大きなひまわり、大きな樫の木、大きな山。
はたしてがまくんの頭は大きくなるのか?!
■ひとりきり
「ふたりはともだち」に入っている、あの「おてがみ」と並ぶ傑作でございましょう。
泣いちゃいますぜ。
というわけで、がまくんとかえるくんシリーズ、全4冊(だよね?!)制覇。
4冊でよかった…全部ほしいから、あんまりたくさんあると大変。
さあ、次はノーベルの他の作品を読んでみるかな? それとも英語版に挑戦?
実は上尾図書館(本館)には洋書絵本も置いてあって、「ふたりはともだち(Frog and Toad Are Friends)」がありましたので、借りてみました。
おお、これくらいなら英語オンチの私でもほぼ辞書なしで読めそう♪ と思った。しかし、日本語版で娘はほぼ内容を理解している…ということは、英語圏の人は3才半でこれを耳から聞いて分かるってことだ。なんとか読めても、聞いて理解っていうのは、私には無理だなあ。
もう負けたか…(なにに?)。
こんなのを発見しましたよ。
「Frog and Toad Audio Collection」
絵本の朗読CDは、他にもいろいろ出ている…というか、昔から読み継がれているようなものは、ほとんどあると言っていいぐらいかも?
しかしこれは、なんとローベル自身の朗読、しかもレビューによるとけっこういい感じらしい(必ずしも作者本人が読んでるからよいとは限らないもんね。プロの俳優さんのほうがいいことも)。
絵本は挿絵のみしかついていないそうですが、耳のためだったらそれでいいでしょうし、全作品収録されてるならナイス。いいかも~。
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