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ふたりはともだち/ふたりはいつも
2007/ 01/ 25
あの頃は今ほどカエルカエルと騒いでいなかったので素通りでしたが、でもいまでも記憶にあるってことは、やっぱり潜在意識が…かどうか分かりませんが、読めば読むほどいい話ですねえ。
元気のないがまくん…今、一日のうちの悲しいときだという。つまり手紙を待つ時間。実はがまくんは手紙を一度も誰からももらったことがないらしい。
それを聞いたかえるくんは「もう家へ帰らなくちゃいけない」と突然家に帰り、さっそく一筆したため、その手紙をかたつむりに渡す。
かたつむりは「まかせてくれよ。すぐやるぜ」と言ってましたが、もちろんすぐに届くはずなく…でもこれで他の動物に頼んでいたら、ええ話にはならなかったことでしょう。
そして、かえるくんは再びがまくんの家へ。二人は、玄関先のポストの前で肩を組んで手紙を待つのです。
「ふたりは とてもしあわせなきもちで てがみがくるのをまっていました」
ひゃ~。思い出しただけでうるうるきてしまいました。
がまくんとかえるくんシリーズは4冊で、この「おてがみ」は1冊目の「ふたりはともだち」(1972年出版)の最後に入っています。三木卓・訳。
収録されているのは
はるがきた
おはなし
なくしたボタン
すいえい
おてがみ
がまがえるくんはボケ役、かえるくんはしっかり者、という二人。共通するのは二人とも優しいということでしょうか。いつも相手を喜ばそうと考えながら動いてるんですよね。
絵本をしつけに使うつもりはありませんが、やはりその部分が娘の頭にうめこまれたらいいなあ。
そうそう、ゲームなんかで、結構攻撃的なものがあるではないですか。ああいうの、乱暴者になるといけないからと取り上げてしまっては逆効果なんですってね。ゲームで発散できるのなら、そのほうがいいわけで…。
ただ、勧善懲悪になっていないものは、やはりさせちゃいかんらしいです。まだ世の中のルールを分かっていない子どもはもちろんですが、分かっている大人でも感覚がおかしくなるみたいですよ。
この世には恐いこと、辛いこと、嫌なこともたくさんあるけど、そういうのを教えるのはある程度の年齢になってからでいいんだろうなあと思いますわ。いけないことはいけないと言うのは必要ですけどね。
先日…なんのことだったか、娘の前で暗い話を夫としていて(犯罪とか事故とか)、娘が聞いていたんで「ひとちゃんは大丈夫なんだよ」と言いつつ説明をしたのだけど、ちと不安そうな様子だった。
変な冗談や嘘も、気をつけなきゃいけないですね。
というわけで、がまくんとかえるくんは、何度でも読み聞かせたいのであった。
でもまあ、この二人の場合は、お互いが好きで仲良しなんだろうけど。たぶん、誰かがかえるくんを傷つけたら、がまくんはその誰かと闘うでしょうね。男の友情だな。
がまくんとかえるくんが女の子だったら…うん、違う話になってるだろうな。
ちなみに、娘の心をつかんだのは「なくしたボタン」…かな? こればっかり読まされた。
それから「はるがきた」は、夫と娘の遊びネタになっている気がする…。
私は「すいえい」の、がまくんの水着が気になってしょうがないです。今、うちにあるのはあと1冊。
「ふたりはいつも」(1977年)
そりすべり
そこのかどまで
アイスクリーム
おちば
クリスマス・イブ
表紙がカエル型雪だるま。「そりすべり」「クリスマス・イブ」はもちろん冬の話。
「アイスクリーム」は夏。この話…ぶはははははは! コメディーです。がまくんってば、まったく…。
しかしそれにしても巨大なチョコアイス。じゅるるるる…。ぱくついている二人の口もかわいい。
「おちば」はもちろん秋。
「そこのかどまで」は、おたまじゃくしから変身したてのかえるくんが、お父さんに「春はそこの角まで来ているんだよ」と言われ、角を見つけては春がいないかと探した、という話。
で、春、見つけたんですよ(オチを書いていいものだろうか?)…春を探し回ったあげく、家にたどり着いたかえるくん。家の角を曲がると、お陽sだまがポカポカ、小鳥がさえずり、庭には花が。そして庭仕事中のお父さんとお母さん。
はあ~…ええ話や~…。泣いちゃうよー。
というわけで、実はなんと、まだこの2冊しか持っていません! 私としたことが…。
ノーベルは他の本もあるし、このネタは続くことでしょう。
がまくんとかえるくんはぬいぐるみもあって、サンシャインではMOE GARDENやアメリカンファーマシーにあった。けど小さいのに2000円ぐらいするのだ。まあ、わざわざ買わなくても…。
でももちろん、絵も大好きです。素敵! 渋い色。服もジャケット+パンツ(ベルトも!)でいいわ~。
そしてなにより、リアルガエル…ふふふふふ。
アーノルド・ローベルは1933年5月22日、ロサンゼルス生まれ。
まもなくニューヨークに移る。高校卒業後、ブルックリンの「ブラッド・インスティテュート」に入学。
1955年、同窓生のアニタと結婚。ブルックリンのマンションに住み、
お互いに影響を与えながら、それぞれの絵本を作り続けていたが、
1985年には、ローベルが文、アニタが絵を担当した"The Rose in Garden"が
出版された。
1973年『ふたりはいっしょ』でニューベリー賞、
1981年『どうぶつものがたり』でカルデコット賞受賞。
1987年12月4日、ニューヨークの病院で死去。昨晩の読み聞かせ 「ワンダーブック1月号」
「がまくんとかえるくん」と言いたいところですが、最新号を保育園から持って帰りましたので。
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