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レオ・レオニのかえるの本
2007/ 01/ 20
「びっくりたまご 3びきのかえるとへんなにわとりのはなし」訳・谷川 俊太郎
図書館で娘が見つけて、借りてきました。
表紙にはカエルと卵、そしてワニ。なのになぜ「3びきのかえるとへんなにわとりのはなし」?
石ころ島に住んでいた、カエルのマリリン、オーガスト、ジェシカ。
好奇心旺盛なジェシカは、よく遠出してはつまらないものを「すごいでしょう!」と持って帰ってくる。が、ある日の拾いものは、今まで見たこともない、白くて大きくてまん丸なもの。これはすごい! さっそく持ち帰り、そしてそれを見た物知りマリリンが「それはにわとりの卵よ」
そしてついに中から出てきたものは…表紙のワニ。ですが、マリリンは「ほらね! にわとりよ!」
ジェシカとオーガストは「にわとりなのね!」
…みんなはワニの赤ちゃんをニワトリと呼び、一緒に仲良く暮すのでございました。
最後には、ワニちゃんはお母さんの元へ帰ることができる。
お母さんとの再会シーン…(いや、再会ではないけど)
「おかあちゃん!」
「おいで、わたしの かわいい わにちゃん」
この絵本を読んだころは、このシーンを再現するのが私と娘のブームでございました。ははは。
にわとりちゃんがお母さんの元へ帰るときにはジェシカがついていくのですが、にわとりちゃんと別れ、石ころ島へ戻ったジェシカが、2人に報告…
「かあさんにわとりが、あかちゃんに なんて いったと おもう?
わたしの かわいい わにちゃんっていったのよ!」
マリリンが
「わにですって! なんて ばかな ことを!」
大笑いする3匹のカエル…。
というお話でございました。いいわいいわ~。
ところでレオ・レオニですが。
1910年5月5日~1999年10月11日。アムステルダム生まれ。結婚後イタリアに住んでいたが、ユダヤ系ということでアメリカに亡命。
その後、「あおくんときいろちゃん」で絵本デビューしたそうです。
「スイミー」や、さきほどの「びっくりたまご」でも分かるように、話もおもしろいのですが、絵も素敵。いや、こっちが本業なのか? パステルや絵の具(水彩かなあ?)、そして切り絵も使っているからか、実は私は「はらぺこあおむし」のエリック・カールとかなりごっちゃになってるんだけど…。デビュー作の「あおくんときいろちゃん」訳・藤田 圭雄も、たまたま上尾駅前分館で見つけて借りたことがありました。不朽の名作ということで名前はよく知っていました。
青と黄色のかたまりしか出てこないのに、絵本になっちゃうんだなあ。レオニさんが孫たちの子守をするのに、たまたまあった青と黄色の色紙と絵の具を使って即興で作った話がもとだということです。
青と黄色を足すと緑になるとか、大人のこと子供のこと、友達、家族…哲学的な要素もあるとか。
難しいことはよくわかりませんが、シンプルな絵、ストーリーは、そりゃもう子どもは想像力をかきたてられることでございましょう。青+黄=緑なんてことは、娘は興味はないようでしたが。
※娘はあいかわらず水彩色鉛筆を愛用しておりますが、まぜる楽しみっていうのは気がついてないみたい…たぶん。
実はカエル本がもう1冊あるのです。こちらも上尾駅前分館より。
「ぼくのだ! わたしのよ! 3びきのけんかずきのかえるのはなし」訳・谷川 俊太郎
こちらの3匹は「びっくりたまご」とは別人で、虹が池の真ん中にある島の、ミルトン、ルーパート、リディア。しかも毎日しょーもないケンカばかり。
ほら、小学生ぐらいのころにやりませんでしたか? 「ここは私の部屋なんだから、空気も私のものよ! 息吸わないでよね!」みたいな…。
ある日、大雨が降り島が飲みこまれそうになるが、なんとか残っていた岩に3人でしがみつき、九死に一生をえる。そして水が引いた後、岩だと思っていたのは、以前、けんかはやめろとお説教をしにきたヒキガエルだったのでした。
それ以来、3匹は仲良くなったとさ。「みんな みんなのものよ」
…と、教訓的なお話になってはいますが、ヒキガエルさんに助けられたと分かるシーンはなかなか感動的でございます。そしてみんな仲良く…ええではないですか~。
まあ別に、その教訓の部分を伝えるために娘にこれを読ませるつもりはありませんが、ええ話に素敵な絵。ナイスな本です。
「スイミー」「びっくりたまご」「ぼくのだ! わたしのよ!」などが出ている好学社の「レオ=レオニの絵本シリーズ」は全18冊。好学社のレオ=レオニ紹介ページ
英語でさっぱり分からないのですがランダムハウスのレオ=レオニのページ。
ランダムハウス…って聞いたことがあると思ったら、英語の辞書にありましたね。それと関係あるかどうかは不明です…。レオ・レオニの本で、こんな者を見つけました。
「平行植物」訳・宮本 淳
絵本ではありません。ちょっとおもしろそう。
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