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ミーティング・ヴィーナス

2006/ 11/ 15
                 
ミーティング・ヴィーナス meeting venusカレーラス様の「ヨーロッパの夢」でぶっとんだとき本当は「タンホイザー」の話を書くつもりだったのですが、違う方向に走ってしまいました。
ので、本日リベンジ。
このオペラの正しい題名は「タンホイザーとワルトブルクの歌合戦」
1845年に完成しドイツのドレスデンにて初演。
            

初版、ドレスデン版、パリ版、パリ版のドイツ語版があるらしい。
「聴いて当ててみろ!」
えーん、わかりませーん…
とりあえずパリ版はフランス語みたいです。


高校生ぐらいのとき、BSでカラヤンの番組を見た(こういうの、おもしろい!)。
真っ赤なスポーツカーを乗り回すカラヤン…という印象がえらく残っているのですが、バックにワーグナーがよく流れておりました。
で、タンホイザーの序曲について話してた。まず出だしのホルンは消防車のサイレン。その次のバイオリンの、短調のメロディーは、火事にあった老婆が悲しみに暮れているところ。そして盛り上がってまた始めのテーマが出てきますが、このときバイオリンの「タラッ、タラッ、タラッ、タラッ、タラッ、タラッ」というオブリガートは、老婆がヒクッヒクッと泣いているところ…
こんなことをおっしゃってましただよ、カラヤン様は。


そうだ、きのうの冗談音楽に追加!
私はドビュッシーも大好きですが、彼はワグネリアンからアンチワーグナーに乗り換えたクチ。
「ゴリウォーグのケークウォーク」というピアノ曲にはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」のテーマが出てくる。そのあとに「チャンチャンチャン、チャンチャンチャン」と茶化すような和音。うー、なんだよー。


話がそれました。今日は「タンホイザー」の話! というか映画です。

「ミーティング・ヴィーナス」

大学生の頃に見ました。1991年…だったみたい。
監督はハンガリーのイシュトヴァーン・サボー。ヒロインはグレン・クロース。音楽はワーグナーのをそのまま。歌のシーンは吹き替えで、声はキリ・テ・カナワにルネ・コロ!

単に歌劇「タンホイザー」を映画化したのではなく、上演する側の話です。
ハンガリーの無名指揮者がパリで「タンホイザー」を指揮するチャンスを得たが、オーケストラには意地悪をされ、歌手同士のやっかみ、マネージメントの権力争い、ダンサーのストライキ、などの裏のゴタゴタに巻き込まれて、リハーサルはズタボロ。ところが…
というものです。

で、最後にはなんとか本番にこぎつけるのですが、当日に舞台の裏方がボイコット。で、ステージが使えなくなったので、歌手たちは幕の前や客席の通路で歌う。
合唱のシーンで合唱隊たちが客席の扉から現れ、通路を歩きながら歌うシーンは、今思い出しても泣いちゃいます~!

サントラは、「タンホイザー」のハイライト版みたいになっています。途中、ヒロインがソロ・リサイタルをする話があるので、シューマンの歌曲「Bist Wie Eine Blume」が入っていますが。

オペラをそのまま映画化したものだと、俳優さんがイメージと合わないだの、原作と違うところがあるだの気になりますが、こういうのだったら楽しめるなあ。どこまで本当か分かりませんが、裏事情も見られるし(「のだめカンタービレ」の楽しさの一つも、それだよね)。
そしてなによりもワーグナーの音楽が聴けて、幸せ幸せ♪なのでした。

アンチ・ワーグナーの人やクラシック音楽に興味がない人には、つまんないかもね。売れなさそうな映画だわ…。
というか、映画のストーリーはオペラのストーリーと重なっている部分があるので(指揮棒に花が咲くシーンとか。だいたいタイトルの意味を考えても結局そういうことだ。←タンホイザーはエリザベートという女性によって救われる、という話なのです)なにも知らないと楽しさ半減、かもしれません。


昨晩の読み聞かせ 「ろけっとこざる」
すんごい久しぶり。

            
                                  

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