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ラインの黄金
2006/ 09/ 29
高校の頃に市立図書館で見つけて読んだ本を、やっと一冊入手しました。新書館から出ているリヒャルト・ワーグナーのオペラ「ニーベルンゲンの指輪」の「ラインの黄金」です。
ワーグナーのオペラはセリフだけっていうのはなくて、すべて歌になっているのですが、それを訳して美しい挿絵をつけたものです。
台本っぽくなく詩のようで読みやすい。ていうか、直訳じゃないから読みやすいのかな? 訳は寺山修司です。
そして絵でしょう! アーサー・ラッカムです!
原画はもっと素晴らしいんでしょうねえ…。サイズも大きいのかな?
「妖精画家」言われているだけあって、この本の女神や女性の姿はかわいらしい。でも、物語の発端の、自分は絶対モテることはないからと愛よりも黄金の方を選んだ醜いアルベリッヒなんかは、ほんと醜く描かれていて、きれいなだけでなくおどろおどろしい暗い部分も。私が小さいころ見てたら、夜中に思い出して泣いちゃっただろうなー。
というわけでワーグナーの音楽にぴったり。
他にも、原語と対訳になってるものなどが図書館にありましたが(それはワーグナーに限らず、他のオペラのものも一通りそろっているシリーズだった)ワーグナーのオペラのストーリーを知るのに、この本は最適だと思います。
新書館のこのシリーズでは、他に「ニーベルンゲンの指輪」の残り「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々の黄昏」が、同じく寺山修司の訳とアーサー・ラッカムの絵で出ています。それから
「トリスタンとイゾルデ」 訳:高辻 知義 絵:天野 喜孝
「さまよえるオランダ人」 同上
「ローエングリーン」 訳:高辻 知義 絵:東 逸子
「タンホイザー」 同上
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 訳:高辻知義訳 絵:吉田倉久
「パルジファル」 同上
うーむ…吉田倉久さんという人は知らないなあ。吉田さんの2冊は当時の図書館でも見あたらず、読んでいません。天野さん(アニメーター?)と東さん(「詩とメルヘン」出身?)は以前から知っていました。この本が目にとまったのも「おお、彼(彼女)が描いているのか!」ということだったかもしれません。
というか私って、聴く前に、この本を読んだのかも???
…よく覚えていませんが。
天野さん、東さんの絵もそれぞれぴったりで(吉田さんは見たことないので分からずじまい)トリップするのに充分です。
まあ、でもやっぱりそりゃもちろん、本物がいいですけどね!
大学生のときに、ベルリン国立歌劇場が来日して、私は「トリスタンとイゾルデ」を見に行きました。トリスタンがルネ・コロ。イゾルデがキリ・テ・カナワ? だったかしら?? D席で¥20000弱ぐらいのチケットだったと思いますが…酔っぱらってきましたよ~、もちろん。演出は、演出家の名前を覚えていませんが、本なんかで見たことがあるものでした。うわああ…本物だああああああ…!
ああ、しかし、ルネ・コロなんておじいちゃんだよ…歌はもちろん素晴らしく、まあ、大柄な人だしD席じゃ細かいところまで見えないけど、でもやっぱり若くてきれいでかっこいい夢の王子様ではない。「トリスタンとイゾルデ」は心情的なものが多くて動きが少ないから、二人で並んでじっと動かずに歌うシーンも多かった。それがなんだか、一瞬、日だまりの縁側にすわる老夫婦に見えてしまったり…ううう。
しかたないですね…。キリ・テ・カナワもきれいな人ではあるんだけどね…。天野喜孝の絵と同じとはいかないですね…。
BSで見た「トリスタンとイゾルデ」のイゾルデ役の人は、下の歯をむき出しにして歌う人であった。本で見た「ローエングリン」のエルザ姫役の人は、真っ青なアイシャドーにアイラインで、目がたぶん実際の3倍ぐらいになっていたけど、それよりもウエストのない体型にガガーン…。しかたないんだよね、こんだけ大迫力の曲を歌うには、きっとかなりの声量とぶっとい声が必要でしょう。
聴きにいったのがもうひとつ、二期会の「ワルキューレ」。ヴァイオリンのMちゃんに、なんとチケットをいただいてしまって(感謝!!!)真正面のすんごくいい席で見てしまった! はじめは、日本人かあ…と思ったけど、さほど気にならず。
ワルキューレとは、戦死した勇者を天上のの宮殿ヴァルハラに連れて行く女神で、複数います。この演奏会では、みんなドレスではなく今どきの服を着ていて(普通にシャツとパンツとか、ワンピースとか)ワルキューレのお姉さま方は、ロングヘアを流し、マトリックスのような黒革のロングコート…。もちろん舞台用の厚化粧、そしてやはりカップクのよい人が多く。ちと恐かった…。
いやあでも、やっぱりよかったです。本物は。
やはり夢は聖地巡礼!
※ワグネリアン(というのです)の聖地巡礼とはバイロイト音楽祭に行くこと!
この音楽祭では、「ニーベルンゲンの指輪」全幕+他に2つぐらい(だったかな?)のオペラが上演される、ワーグナーだけのための音楽祭。嫌いな人には地獄のワーグナー責め…。
私は聴き続ける自信があります! 行きたいなあ。
それまでに、本とCDで勉強だ(?)。
新書館書籍リスト(表紙の画像が見られます!)によると、在庫があるのは「トリスタンとイゾルデ」のみのようです。
Amazonのマーケットプレイスで安く手に入るものもありますが(今回の「ラインの黄金」は古本で、もとの価格より安かった)「パルジファル」は10000円から! 「タンホイザー」なんかは見あたらないし…。早いところ手に入れた方がよさそうですね。
コメント
ここに通ってたなあ・・・。まあ、勉強してたのか、友達に会いに来てたのかは問題ですが。
リージョン界隈は変わってないけど、新町駅前は随分と景色が変わってしまいました。
2006-09-29 10:32 きもと(大阪人)
駅前は変わっちゃったのかあ。
2006-09-30 06:01 ますみんみん