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セロ弾きのゴーシュ
2008/ 08/ 27
「シンデレラ」のレコード、「森は生きている」のラジオドラマに続く、夫のしかけ(?)である。
宮沢賢治…私は興味ない~。というか、あんまり好きじゃない。教科書に「注文の多い料理店」が載っていたけれど、「眼鏡」を「めがね」と読むのだとここで知った…なんてどうでもいいことしか覚えていない。
家に文庫本があって、電信柱が行進する話とか読んだけど。なんかピンとこない。大学を出るときに演劇部の友達と東北旅行に行き、記念館に行った。演劇部の練習で「雪わたり」の朗読をした。ますむらひろしの「銀河鉄道の夜」を買った。…と、まったく無縁ではないのだが、好きじゃないんだよなあ。
あ、でも「銀河鉄道の夜」のサソリの話はちょっと感動しちゃったな。
夫がこんにゃく座の「セロ弾きのゴーシュ」のCDを持ち帰ってきた。実家にあったんだっけ? 忘れた…が、95年の録音だそうだから、彼が幼少のみぎりに聴いていたというわけではないことになる。
台本・作曲は林光。音しか聞いていないから、見た目はどうなのか分からないけど…まあ、あの演劇特有のクサさというか、わざとらしさというか。楽器がピアノ(と打楽器ちょっと)だけ、というのもあるかな。そういう感じ。
はじめにわが家でCDを流したのは夫だったが、そのうち娘が聴きたがるようになる。最初のお気に入りは…猫を外に出すときの「もう来るなよ! バカッ!」 自分でも言って大笑いしていた。またこれが、上手に真似するんですわー。
そしてもう一つ、夫はしかけを持っていた。それはアニメの「セロ弾きのゴーシュ」。高畑勲の監督。実家にLDがあるらしい。それをうちでも見られるようにした。
こちらは普通にアニメなので、セリフを歌ったりはしない。でも、ベートーベンの「田園」がうまーく出てくる。原作では、ゴーシュが楽団で弾いている曲は「第六交響曲」とだけ書かれていて、どこにもベートーベンなんて言葉はないようなのだが、たぶんこれはベートーベンなんでしょう。でも林光版では、まったくのオリジナル曲になっている。それでも調が同じだし、テーマも似てるっぽいように思うけど。
でもって、このベートーベンの交響曲第六番「田園」は、娘がよーく知っている曲なのだ。「ファンタジア」に入っているから。ペガサスが出てきたり、お姫様シーンもありますからね…ごっこ遊びのテーマにもよくなっている。
「田園」は夫も好きみたいで「素晴らしい」とか連発しているが、実は私はあんまり…。すみません、ホンモノの分からない女で。嵐のシーンは、ワーグナー様の「さまよえるオランダ人」のパロディーですか?とは思うが。
※ワーグナーがあとです。
というわけで、娘はアニメ版も見ることができた。こちらの音楽は間宮芳生。なので、途中に出てくる「インドの虎狩り」や「愉快な馬車屋」は林氏とは違ってくる(宮沢賢治の頭の中では、どんな曲が流れていたのかなあ)。
もちろん、登場人物の声も違うわけで…こんにゃく座版とアニメ版では、役者さんの性別が逆のもあったりする。例えば、カッコー役は、こんにゃく座版は女性で、アニメ版は男性(スネ夫君!)。
そういう違いはあるが、映像としても見られたからかな、娘は話をちゃんと理解しているみたい…?で、きのうの夜。夫が帰宅してなぜか「マタイ受難曲」のCDをかけると、娘が「ひとちゃん、セロ弾きのゴーシュきこうと思ってたのにー」と言い出した。確かに保育園からの帰り道で、帰ったら聴くと言っていた。私は「これはねえ、バッハ様という偉ーい人の曲なのよお。きれいでしょおおお」とわけのわからないことを言いつつ、ほどなく夫がCDを「セロ弾きのゴーシュ」にすげかえた。
と。
歌いだした娘。しかも、ほぼ正確に。ずーっとずーっと歌っている。ほへー。すごーい。
猫のシーンが終わったあたりで注意散漫になり、マイアサウラごっこなどを始めたが、「歌わなくていいの?」とふると、また歌いだしたり。もしかして全部歌えちゃうんだろうか。すごい。
そうですね、4、5才になると、また一段階ぐぐっと成長しますね。歌番組の歌手の真似なんかも上手にできる(私の時代は、ピンクレディーだったなあ)。だから、今の時期は無理にピアノを弾かせるより(まだまだ指は、ぶっきーだ)、たくさん音楽を聴かせて歌わせて踊らせとかにゃあ。でもって、ちゃんとしたものを聴かせないといけないなあと思うのであった…音痴なのを聴かせると、音痴に歌ってしまう。
それにしても、これだけできるのだったら、実際にこんにゃく座の舞台を見たらもっと楽しめることでしょう。そういえば、こんにゃく座だったら以前は「森は生きている」でチェックしていたのだった。見に行きたいなあ。というか、見ている娘の反応を見たいのだと思う。
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