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ひとりごとが続いて恐縮ですが…
2008/ 08/ 08
先週の水曜日、保育園に迎えに行って二人で廊下を歩いているときだっただろうか? 娘がポケットから、見たことのない髪ゴムを取り出した。
「Mちゃんのゴム、持ってきちゃった~」
「え? どうしたの?」
「Mちゃんが、ポケットないから預かってって言ったの」
「そっか、じゃあ今度返そうね~」
そこで終わり。私はそれ以降、そのことをすっかり忘れていた。
次の登園日の朝? かな? ダイニングテーブルにMちゃんの髪ゴムが置いてあった。そうだった、返さなくちゃ。
でも、お母さんと会うこともないしなあ。娘が自分で渡せるもんだろうか。まあ、登園のときに娘の手に持たせといて、たぶんMちゃんはもう来てるだろうからそのまま渡すようにして…一応先生にも夫から声かけてもらうか。あ、でも登園のときってそんなこと話してる時間ないのかな。じゃあ、先生に手紙でも書いておいたほうがいいかな。
いずれにせよ軽く考えていたのだが、夫がまず言ったのは、ものの受け渡しは子供どうしでしないほうがいいだろうから、次にMちゃんの親御さんと会う時、行事のときに返そうと。
そ、そお…?
前に娘が、ずーっと前にサンシャインの水族館に行ったときにもらったアリエルのカードを、Mちゃん(髪ゴムのMちゃんとは違うMちゃん)にあげるから保育園にもっていくと言ったことがあった。約束したとか?そんなことを言っている。私は、保育園でそんなことしていいもんだろうかとうっすら思いつつ、ふーん、あっそう、ぐらいですませてしまったが、夫はきっぱり「家のものを保育園にもっていくのはやめなさい」と。そうか、そうだよね。うん。娘はそのときは「でも~」とふてくされたが、最終的には言うことを聞いた。翌日にはたぶん忘れていたようだし(恐らくまだ、そんなふうにすぐ忘れるぐらいの年齢でもあった)。
その後保育園から、園にシールなどを持ってこないようにという通知がきたり、保育参観のあとの懇談会で園長先生がそういうことをおっしゃったりしたから、一時、ものを受け渡しするような風潮があったのかもしれない。
こういうのって…ああ、自分の子供の頃を思い出すなあ。小学校でシャーペンは禁止だったのだが、前日に私はソルフェージュのレッスンで使ったのを入れっぱなしにしていて、その日は一日冷や冷やしていた…って、これはちょっと違うか。
学校で子供どうしでものの受け渡し。まあ、誕生日プレゼントとかならあったかな。というか、佐賀に引っ越してきた小学校5年のときから、そういうのが目につくようになった。それまでは家で誕生会を開いたときに、プレゼントをもらうぐらいだったと思う。学校でもらうことなんてなかったかと。
あの時は佐賀の人ってプレゼント好きなんだなあと思っていたが、そういう年頃でもあったのかもしれない。私が佐賀から転校した中3のときなど、たしか30人ぐらいの人から贈り物をもらった。
そんな中で、6年生のときに同じクラスの友人からもらった誕生日プレゼントが、実はその子が親御さんののお財布から無断でとったお金で買ったものだったということがわかり、私も先生から事情聴取(?)を受けたり、同様にプレゼントをもらった友人たちみんなで話し合いをさせられたりした、ということがあった…ような気がする。正直言ってそのときは、誕生日プレゼントだったら他の人からももらうことがあるし、とんでもなく高価なものとかでもなかったし(普通にサンリオ製品だったと思う)、そんなの私は気づかないよー、もらっちゃうよー、しかたないよーなんて思っていたような。その事情聴取やら話し合いの具体的な様子をまったく覚えていないのだけど、今考えると先生は、そのプレゼントを買って渡した子がなぜそんなことをしたのかということを、話し合いたかったんだろう。
確かにその子は、気が強くて他を押しのけるようなタイプで、どちらかというとクラスのみんなから悪口を言われる対象になるような人だった。
…まあ、そういうことで。
ただ、別にこちらがものを巻き上げたわけではないし…そして私の人生の中で、ものやお金を巻き上げられたり、周りでそういう目にあった、もしくはそういうことをした、という話は聞いたことがない。おかげさまで。
世の中には恐ろしい話がたくさんあるではないですか。とくに最近は。どうかなあ…うちの娘なんか、いじめらるタイプ? 強くはなさそうだ。人をいじめるよりいいじゃないか、という考え方もあるけれど、最近のいじめはちょっと度合がひどいからなあ。そりゃいやに決まっている。どうかなあ…。
そういうわけで、髪ゴム。
夫の言葉を聞いて、いやー、そこまでしなくてもさっと返せばいいんじゃないの~?と言う私。やっぱり先生には言っておいた方が確実だと思うけど。でも、軽く言える状況じゃないのかな、朝礼前のバタバタ登園時間だと。
結局、夫に手紙を書いてもらうことにはなったが、娘にどんなふうにさせるかなどまですっかり夫任せで、私は家を出た。私だったら、保育園の玄関前で娘にゴムを渡し、「入ったらすぐにMちゃんに、髪ゴム持ってきたよーって渡すんだよ、と言い聞かせ、先生に事情をはなして(もしくはその場でメモを渡して)去るかなあと。
で、実際は。夫は、先生には様子を見てくれという手紙を書いてくれたみたい。髪ゴムは保育園リュックの中に入れて、保育園に向かったようだ。すると娘は、リュックにMちゃんのゴムが入っていたら先生がなんと思うかと心配してグズグズし、夫が「先生には自分で言えばいいし手紙も書いた」と言っても納得せず、玄関で夫から先生に直接話すということを条件にして、やっと登園できた…ということだった。
えーと…
なんだか大げさになってしまった。私と夫のやりとりを娘は聞いていて(どうだったかな、その場にいたっけ)「これはもしかしてやばい?」なんて思ってしまったのかも。全然悪いことしてないのに。
さて、実際はどうなったのか?
夜、お迎えに行って出席ノートを見ると、ポケットに先生からの手紙が入っていた。
二人に話を聞いてくださって、娘からMちゃんにきちんと渡せたと。渡すときに、娘が「持ってたの忘れて持って帰っちゃってごめんね」と言うとMちゃんは「持っててくれてありがとう」と。二人とも納得してやりとりしていたと。
めでたしめでたし! パチパチパチパチ…
???
えーと、えーと…なんだか「し○じろう」チックだなあ。とにかく先生にはお手数をおかけいたしました(-人-) Mちゃんもありがとう。
自転車で帰りながら、私はなにも聞いていない(手紙なんてもらっていない)というふうに「Mちゃんにゴム渡せた~?」と軽く聞いたら、「うん」と言っていた。それ以上はあえてつっこまず。すると娘が、「Mちゃん大好き」などと言っていた。
なんか…嫌われるとか思っちゃってるのかなあ。いかんなあ。それこそ、私のクラスメイトのあの子のように、プレゼント攻撃したりしないでしょうねえ…。
こうなっちゃったのは親の責任だと思う。自信をつけさせねば。
そんな娘の気弱な一面(気弱にしてしまったのは私かあ…)が見えたできごとが、実はそのあとにもあった。
水曜日の朝。着替え一式を家に忘れたことに玄関前で気づき、登園拒否。先生になだめてもらってなんとか登園したと…。
親がもっと大きな器にならないといけませんね。ごめんよ、娘。
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